いいサービスや商品だからお客さんが集まる?違います!~商品志向と顧客志向を理解しよう~

あなたは、どういった理由でそのスポーツビジネスを立ち上げられましたか?

おそらく「そのスポーツが好きだから」「指導者ライセンスがあるから」「競技経験があるから」「専門的スキルや知識を持っているから」という、「自分ができる・自分がやりたいこと」から考えられたと思います

スポーツ教室やスポーツクラブを始めた理由に多いのは、あなたのように、その競技やトレーニング等に対して専門的な知識やスキルをお持ちで、他の人には負けないサービスや商品を提供できる自信があり、いいサービスや商品を届けることができるのだから、自然とお客さんが集まってくるはず…このように考えて始められる方が多いように思います。

特に、専門スキルや知識を持っている方、プロ選手経験などを持たれている方などにこういった傾向は強く出ている気がします。

自分ができる・やりたいことから考えて、いいサービスやいい商品(提供できる専門知識やスキル等)があるからお客さんが集まってくるだろうという考え方を、「商品志向」といいます

ですので、こういった志向の方は、スキルアップ勉強会や、さらなる上級指導者ライセンスの取得に励んだりして、今よりもっと良い商品、良いサービスを提供できるように頑張ろう!と考えます。

ひょっとすると、あなたは「えっ!?これダメなの?よい商品やサービスを提供できるように努力するのは絶対必要だよ」と思ったかもしれませんね。

確かに、スキルはないよりもある方がいいに決まっています。ですので、こういった志向は素晴らしい!と思いがちですが、スポーツビジネスを行う上で致命的に欠けている部分があります。なにか分かりますか??

それは、お客さんのことを何も考えてない、お客さんのことを何も知らない、ということです。お客さんのことを、何も知らず考えず、スポーツ教室やスポーツクラブを行っているという方が、本当に多いです

例えば、私は長くサッカーをやってきましたが、サッカーの指導者にはD級~S級まで指導者ライセンスというものがあります。S級が一番上、D級が一番下。
素人からすれば、A級が一番上じゃないの?とか思いがちだし、別にライセンスについて詳しく知りたいとは思いませんし、あなたがどのライセンスをもっているかに興味はありません(ライセンス等について気にされる方は一定数いるかもしれませんが、S級を持っていてもあなたの悩みを解決してくれるかは全く分かりません)。

ただ、現場の指導者は、上のライセンスを目指し、勉強や研修会に参加し、指導者としてのスキルを磨きます。そして、多額のお金と時間を費やしてライセンスを1ランク上げます。 
しかし、指導者としての知識やスキルが伸びて、ライセンスが一つ上がったからといってお客さんが集まるか?と考えてみて下さい。それだけでは、集まらないですよね。

だから、こういった商品志向が強い方は、「顧客志向」を持つ必要があります

冒頭で、あなたがどういった理由で、そのスポーツビジネスを立ち上げたかを尋ねましたが、自分がどんなサービスや商品を扱うか?どんなビジネスを始めるか?ということを考えるときは、お客さんが何を欲しいと思っているのか?何に対してなら大事なお金を支払ってくれるのか?という「顧客志向」「顧客視点」で考えるべきなのです。

理由は、至極簡単、あなたのスポーツビジネスを確立させてくれるのは、誰ですか?それは、お客さんですよね?お客さんが、あなたの商品やサービスを購入したいと思って、お金を支払ってくれるから成り立つんですよね?

それなのに、あなたは商品やサービスのことばかり考えて、お客さんのことは何も知らない、考えない…それでは本当は素晴らしいはずの商品やサービスも、売れるはずがないんですね。お客さんは、あなたに興味があるわけではないのです。お客さんが興味をもつのは、自分のことです。

ですので、あなたが一番に考えなければならないのは、お客さんのことです。商品やサービスを向上させることは、その次です。お客さんがあってこそ、あなたの商品やサービスは輝くのですから。
では、お客さんが求めているものをしっかりと提供すれば売れるの?といわれると、それもまた少し違って注意しなければならない点がありますが、それはまた次回お話したいと思います。
次回の話のヒントは「お客さんが求めているものと、お客さんに必要なものは違う!ということです。