営業の信頼関係構築スキル~②ペーシング~

シリーズでお伝えしている「お客様との間で信頼関係を構築していくスキル」の第二弾、ペーシングについて今日は書いていきたいと思います(第一弾「①ミラーリング」を読まれていない方は、是非そちらも読んでみて下さいね)。

ペーシングというものを、むちゃくちゃ簡単に言ってしまうと、「相手のペースに合わせる」ということです。では、なぜこれが信頼関係を構築する上で大事になるか、あなたはわかりますか?

理由は、「ペースの合わない相手」には無意識レベルで苦手意識が生まれてしまうからです。

営業をする際に、相手に苦手意識を持たれてしまうと…
どうなるかはもうお分かりですよね。
ですので、そういう状態になることを避けるためにも、このペーシングも重要なものとなります。

大事なのに…話すスピードは意外と意識されてない-ゆっくり話せばいいわけではない-

あなたは日ごろ人と話をする際に、自分の話すスピードや相手の話すスピードを意識するといったことはあるでしょうか??
実は、意外と話すスピードについては意識したことがないという人が多いんですね。営業さんにお話を聞いても、セールスで自分が話す内容やお客さんが話す内容はものすごく意識しているものの、話すスピードは意識せずに話や商談を進めていることが多いんですね。

一度、意識して人の会話等を聞いてみて下さい。話すスピードが速い人や遅い人、もしくはその中間くらいの人などがいることが分かります。

ちなみに、あなたはどのタイプでしょうか?

よく、新人営業マンには説明するときはゆっくり落ち着いて話すことを心がけるように、といったことを教育している会社やビジネス本がありますよね。これについてあなたはどう思いますか?あなたも自分の会社の新人営業マンには、同じように教育しますか?

私ならこういう指導はしません。
それはなぜか?

例えば、あなたが営業で丁寧にゆっくりと説明していたとしましょう。
あなたは相手にとっても分かりやすくて聞き取りやすいので、ばっちりだ!と思っていても、相手がなぜかイラついて「結局、言いたいことは何なんですか?」とか「まず結論から言ってもらえます?」といった反応をされる場合も意外とあったりしないですか?

これは、おそらく相手が早口タイプの人で、自分のペースと合わないからしびれを切らしてしまって、このような反応が出たのだと思います。
つまり、自分のペースと合わない相手には、人はイラついてしまったり興味・関心を失ってしまったりするんですね。ゆっくり話すということは、確かに聞き取りやすいし、それは相手のことを考えてもよさそうだと思えますが、実は違うんですね。

大事なことは早いとか遅いとかではなくて、相手のスピードやペースに合わせることなんですね。

ペーシングについては、普通くらいのペースで話す人を相手にする場合は、さほど意識しなくても大丈夫だとは思いますが、早口の方、話すペースがゆっくりの方を相手にする場合は、気を付ける必要があります。

上記でも例として出しましたが、早口のお客様を相手に営業した際、営業マンの話すスピードがゆっくりであれば、それだけでイラつかせてしまう可能性があります。
逆に、ゆったりと話す傾向のあるお客様を相手に営業をする際に、営業マンが早口でトークをしてしまうと、お客様はそのスピードに追い付けず、結果、「分かりにくい説明だな…」と感じてしまう可能性が高いですよね。

こんなことになってしまうと、信頼関係を築くとかそういうレベルではなくなります。

無意識レベルで相手に「自分とは合わないな」「この人は苦手だな」と判断されてしまいます。

こういった無意識レベルでの出来事は、あなたやお客様の行動に実は大きな影響を及ぼしているんです。
一度、「この人苦手だ」「合わないな」と思われてしまうと、それを挽回することは相当難しいと思って間違いないでしょう。

ですので、相手と話をする際にスピードを合わせる「ペーシング」は、非常に重要なものなんですね。

ここまでは、話すスピードに注目して書いてきましたが、実はペーシングはスピードだけではありません。他にも、声の大きさを相手に合わせる、ということも重要なペーシングの要素となります。

これも、なんとなくイメージできるのではないでしょうか?

極端ですが、昔ながらの体育会系のお客様に対して、小さな声でゴニョゴニョと話をしてしまうと、それだけで相手をイラつかせてしまったりすることが多くなってしまいます。
逆もしかりです。おとなしく声が小さいタイプのお客様に、大きな声で対応してしまうと、圧倒されたり威圧感を感じさせてしまうことになり、相手にひかれてしまい敬遠されてしまうことになりがちです。
そんなタイプのお客様には、こちらもクールな感じの声のトーンで接してあげると逆に安心感を与えることができます。

つまり、声の大きさも相手に合わせて話すことができれば、相手にとっては、それだけあなたの話を受け入れやすくなるということです。

実は、これらのことは、おそらく仲の良い友人や関係性の良い間柄では自然とできていることなんです。

つまり、このようなペーシングは、本来は無意識で行っていることですが、それをうまく意識して使うことで、相手の心理に大きな影響を及ぼすことができるんです。だから、信頼関係を構築する上でも、有用な手段となり得るんですね。

前回説明した「ミラーリング」に加えて、この「ペーシング」も駆使して、信頼関係をさらに加速させてください!

次回は、第三弾「バックトラッキングで信頼を得る方法」について書きたいと思っています。是非楽しみにしておいてくださいね!

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