店舗型スポーツビジネスにおける「立地戦略」と「商圏戦略」を具体的にお話しします!

先日から、あなたのスポーツビジネスを伸ばし「勝てる戦」を作り上げるために必要な、「プレファレンス」「認知」「配荷」について、説明を続けていますが、今日は、前回話をした、「配荷」の中でも、スポーツジムやフィットネスクラブといった店舗型のスポーツビジネスにおける「配荷率」を伸ばすための戦略(立地戦略、商圏戦略)について、具体的にお話しさせてもらおうと思います。

前回の記事の中で、スポーツクラブやスポーツジムにおける「配荷」とは、どんなものがあるのか?ということについてお話しさせてもらいました。
前回の記事を読んでくれたあなたなら、単独店舗のスポーツジムなどにおいて、デジタル世界(ネット)での、配荷を伸ばすことの重要性は理解してもらえたかと思います。

ダイエットしたい、筋トレで体鍛えたい…、あなたの商圏内で、そういったニーズを持ったお客様に対して、いかに自社サービスに関する情報が物理的に手の届く範囲に並べられているか、つまりネットでの検索結果に載っているか、ということが、デジタルの世界でいうところの「配荷」にあたるといいました。つまり、デジタル世界でも、あなたの商品やサービスについて、少しでも消費者の目に付きやすいポジションを得るための熾烈な争いが繰り広げられているということです。

しかし、スポーツビジネスにおける「配荷」を巡る争いは、リアルの世界でももちろん繰り広げられています。
特に、あなたがスポーツジムやフィットネスクラブ、スポーツ用品店といった「店舗型ビジネス」を展開されている場合は、エリアマーケティングのような考え方で、「配荷」を考えていく必要があります。

つまり、「どこに店舗を出店するか」という「立地戦略」と、「その場所に何があるのか」という「商圏戦略」が非常に大切になってきます。
1店舗のみでビジネスを展開していようが、複数店舗を展開していようが、関係ありません。この考えは「店舗型(スポーツ)ビジネス」では欠かせません。

では、具体的にどのような考えが、これらの戦略には必要とされるのでしょうか?

それは、まず「あなたのターゲットを絞る」ということが大前提として必要となります。

あなたのスポーツジムを、どういう人たちに利用してもらいたいか?ということを明確にし、そのターゲットにしている人たちが「利用したい!」と思った時に利用しやすい環境を作る…そのように考えるんですね(ターゲット選定はなかなか大変だとは思いますが…)。

その上で、立地戦略、商圏戦略を行えば、意味のある配荷率向上を目指せるし、余分な経営資源を使う必要もなくなります。

では、「立地戦略」というのは、どういったものだと思いますか?

例えば、以下のようなことを考えていくイメージですね。

・通行人や車(ドライバー)から見やすい場所に店舗があるかどうか?
・店舗に入ってくる人の導線はどのような道筋になっているか?
・店舗への入りやすさ(入口の数や駐車場など)はどうするか?などです。

「店舗型」のビジネスは、「人の集まりやすいところに出店する」というのが原則です。
だから、よく見てみると、フィットネスジやスポーツジムは駅の近くやスーパーなどの商業施設の近くに立地していることが多いと思います。
理由は、「店舗の存在をPRする」という点で有利(人目につきやすい)ということと、「人が集まりやすい場所」に出店したほうが「店舗に立ち寄ってもらいやすい」からです。

では、もう一つの、「商圏戦略」というのは、どういったことが考えられるかというと、例えば、以下のようなことを考えていくイメージです。

・店舗の周りには、どんな人がいる(住んでいる)のか?
・店舗の前は、どんな人や車(高級車が多いとか)が通っていくか?
・競合となり得る他の店舗などはあるか? などです。

また、あなたがもし、複数のスポーツビジネスを行っており、ある地域でスポーツクラブを運営していたとして、その地域で非常に集客が良かったなら、その地域はスポーツやフィットネスに理解のあるエリアである、と考えることもできますね。

このように、「フィットネスクラブ」や「スポーツ用品店」などの店舗型のスポーツビジネスは、「立地」と「商圏」という要素を様々な面から検討した上で出店を決めて、その地域に合った商品やサービスなどを展開していくことが必要とされるんですね。

例えば、フィットネスクラブの中でも「セントラル」や「ルネサンス」といった大手のジムなんかは、駅から徒歩5分以内の場所に店舗を構えることが多く、ブランド力を活かして1つの店舗に多くのお客さんを呼び込む戦略を取っています。
一方で、女性向けのフィットネスクラブである「カーブス」のように、「商店街や商業施設」の中にジムを出店して、「買い物ついでにお手軽に運動しませんか?」といったような価値を訴求してお客さんを獲得しているジムもあります。

また、私が一番注目している、24時間マシンジム特化型フィットネスジムである、「エニタイムフィットネス」は、首都圏ではオフィスビルや飲食店ビル、地方ではコンビニの上階など様々な場所に出店しているのに加え、ビジネスホテル内での新店舗出店や、総合病院の敷地に出店し、体調改善が必要な人に対しトレーニングのサポートをするなど、商圏戦略を今までにはない出店形態として多様化させているのは、すごく面白いし勉強になると思いました。
ホテルにとっても、宿泊客に加え一般の会員も増えることでプラスになると思いますし、病院内での出店については、成功モデルが数多く出てくれば他の病院やクリニックからの出店要請も増えると思いますし、これからの少子高齢化社会を見越しての、新たな商圏戦略としての出店形態と捉えることもできますね。

このように「スポーツクラブやフィットネスクラブ」といった、店舗型スポーツビジネスにおいても、様々な工夫をこらして配荷率を高める努力を行っているんですね。

「その場所に何があって」、それを踏まえて「どこに出店するか」を決めることで、あなたのターゲットが、「欲しい!」「やりたい!」と思った時に、常に近くにある、そういう存在になれるような出店方法を考えるのが、あなたにとっての立地戦略、商圏戦略です。
しっかりと理解し、今後の出店に役立ててもらえればと思います。