なんでだろう?スポーツクラブの会員数が伸びてこない!~顧客満足度が下がってませんか?~
私の友人で、スポーツクラブを運営している人がいるのですが、先日その人から、「そこそこ会員数が増えたんやけど、でも、売り上げの伸びが鈍くなってるんよ。会員数は毎月そこそこ増えるのに…なんでやろうか?」という相談を受けました。
確かに不思議ですよね。会員数が増えているにも関わらず、売り上げの伸びは鈍化している。さあ、あなたはどうしてだと思いますか?もしかすると、あなたも同じようなことで悩んでいるようなら、一度、しっかりと考えてみて下さい。
もちろん、これには原因があります。
では、順を追って考えていきましょう。
まずは、スポーツクラブを開設したばかりの頃は、会員数も少なく、1人あたりに対する指導時間も多く、お客さんにとっては手厚い指導をしてもらっていると感じていたでしょう。満足度も高いですね。
そこから時間が経過し、あなたの経営努力もあり、会員数も増えてきました。すると、経営者のあなたや現場のコーチは、きっと「人数増えてきた!よっしゃー!」とテンションも上がってきますね。それは、当然ですよね。会員数増やしたいですから。
しかし、それはこちら側(経営者側)の話であって、現在通っている「お客さん」の立場になって考えてみて下さい。
今までは、人数も少なく手厚い指導を受けることが出来ていたはずなのに、人数が増えたことによって、コーチに見てもらえる時間が減ってしまえば、不満や物足りなさが出てきます。特に、最初に手厚い指導を受けたら、それが基準になりますので、そこからサービスの質が下がると、必然的にお客さんの満足度は下がります。
この辺りを、現場のコーチなどに伝えると、「変わらずやっている!人数増えたからといって、サービスの質を落とすなんてことはあり得ません!!」といって、怒られそうですが、これは、やっぱり時間と人数の問題があるので、コーチ自身は何も変わらず指導しているつもりでも、お客さんにとっては直接見てもらったり、気にかけてもらう時間が減っているので、お客さん側からするとサービスの質が落ちたと、感じざるを得ません。
そして、そう感じたお客さんはあなたのクラブから離れていってしまいます。
もし、あなたが、私の友人のように、会員数はある一定数までは増えるのに、これ以上は増えてこないなぁ、とか、売り上げが伸びてこないなぁといったことを感じているなら、顧客満足度が低下しているかもしれない、と考えてみて下さい。
「じゃー、どうすればいいんだ?」
そんな声が聞こえてきそうですね。私の友人もそう言ってました。
では、下がってしまった顧客満足度を上げるための方法ですが、まず、あなたの商品やサービスを高く評価している人たちにのみサービス提供できる環境を作りながら、なおかつ利益を出せばいいんですね。
つまり、値上げしてしまう、ということです。
月謝や年会費を、恐れずに上げてみて下さい。まず、あなたのサービスに対して値段が安いから来ていたという人は、大体辞めてしまうと思います。
ただ、値上げが行われても残ってくれる人もいます。この人たちは、あなたのサービスに対して、値上げがあったとしても、価値を感じてくれているから、残ってくれてるんですよね。
これでどうなるかというと、値上げすると、人数は減ってしまう。
けれども、人数が減った分、残ったお客さん1人1人に対して指導できる時間が増える。そうすると、顧客満足度は上がる…という仕組みですね。
「1人1人に当てれる指導時間が増えるのは分かったけど、値上げして大丈夫?」「お客さんめっちゃ減るんじゃないの?」
友人からはこのように言われました。しかし、値上げで利益減っちゃうのは稀です。むしろ、上がる方が多いんですね。
例えば、私の友人のスポーツクラブには会員が250名程いました。で、月会費は8,000円なので、月売上は200万円です。これを、月会費12,000円にアップした場合、50人辞めて会員が200名になっても、月の売り上げは240万円です。2割の人がクラブをやめたとしても、月間で40万円の売上アップを実現できます。
しかも、人数が減るので、1人に指導できる時間は増えて、顧客満足度も高まります。まさに、一石二鳥です(誤解のないように言いますが、会員数を減らすことがよいこと、と言っているのではないので)。
顧客満足度を上げることは「値上げ」以外にもいくつか方法はありますが、それはまた別の機会にでも書こうと思います。
今日のところは、会員数が頭打ちになっていたり、会員数の伸びの割に売り上げが伸びてこない、と言った場合は、顧客満足度が下がってないかな?といったことを疑ってみて下さい。
顧客満足度が上がれば、会員自身があなたのクラブにいることに誇りを持ち、価値ある場所でトレーニングしていることを誰かに話したくなるので、必然的に「紹介」も増えてきます。
顧客満足度を高めるということは、色々な面で良い効果を発揮してくれます。 是非、あなたも今の数の壁を突破するためにも、顧客満足度を意識してみて下さい。