市場構造の本質は「消費者の好み」です!~プレファレンスを向上させて「勝利のサイクル」を起こそう!~
前回は、なぜ市場の構造というものを理解しなければならないのか?という理由をお話しさせてもらいましたが、今日は、その市場の構造というのは、そもそも何なのか?ということをお話しさせてもらいます。前回の記事と、今日の記事は2つで1つのようなものなので、もし、あなたが前回の記事を読まれていないなら、必ず読んでおいてくださいね。
市場構造というのは、小難しく言えば、あるサービスカテゴリーや商品カテゴリー(例えば、スポーツジムやスポーツ教室などのスポーツビジネス市場)における、全体としての「業界の仕組」のことです。
スポーツビジネスにおいても、消費者やサービス提供業者、中間流通業者、スポーツギアの製造業者など、スポーツビジネスに関わる全ての人々や企業の考えと利害がぶつかり合い、それぞれの力関係に沿って一定のやり方に収まります。つまり、市場構造とは、「その市場における全体としての人々のやり方」といえるんです。
少し難しく感じましたか?
もしそのように感じたとしても、気にしないでくださいね。
それよりも、次に話す内容をしっかりと理解することの方が、めちゃくちゃ大事なので。
市場構造とは、「その市場における全体としての人々のやり方」と言いましたが、
この市場構造の「本質」って、一体なんだと思いますか?
それは、簡単に言ってしまうと「消費者の好み」です!
マーケティング的に言えば、消費者のプレファレンス(プレファレンス=ブランドに対する相対的な好意度のこと))です。
これは、主に※1ブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されています。
なぜプレファレンスが市場構造を支配するのかというと、サービス提供業者も中間流通業者も、スポーツギア等の製造業者も、最終購入者である消費者に従わざる負えないからです。
つまり、市場構造を決定づけている本質とは、消費者のプレファレンスである!ということを、あなたの頭の中に入れておいてくださいね。
※1:ブランド・エクイティーとは?
⇒消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージのことです。
・例えば、「メルセデス・ベンツ」というブランド名を聞いて
思い浮かぶのは、どのようなイメージですか?
高級車、ドイツ、三ツ星のエンブレム、金持ちが乗ってそう、
ちょっと怖そうな人も乗ってそう、成功の証…などなど、
これらは全てメルセデス・ベンツのブランド・エクイティーです。
ちなみに、ブランド・エクイティーを築くための一連の活動を
「ブランディング」といいます。
では、次にカテゴリーって何なのか?というお話をします。
例えば、自動車、石鹸、おもちゃ、スポーツクラブのように、同じ目的で使用され、同じような方法で便益を与える製品・サービスの集まりのことを「カテゴリー」といいます。
例えば、JリーグチームとBリーグチームは同じ「プロスポーツカテゴリー」です。東京ディズニーランドとひらかたパークは同じ「テーマパークカテゴリー」になりますし、それらのプロスポーツチームとディズニーランドは同じ「エンターテイメントカテゴリー」に含まれる競合同士にもなります。
同じ目的と似た方法で便益を与える人々の集合体である「カテゴリー」の中で勝っていくこと、つまりシェアを獲得するということは、企業が生存するために不可欠なんです。
ただ、このカテゴリーもずっと続くものではないです。
例えば、ひと昔のプロスポーツクラブ(プロ野球等)は、エンターテイメントカテゴリーでしたが、今では、エンターテイメントはもちろんですが、地域活性化の手段や町づくりの一環としても活用されており、異なるカテゴリーに展開されるなど、ニーズを満たすサービスは、世の中とともに変わっていきます。
企業の目的は、社会に貢献し、利益を上げ、競争に生き残っていくことです。私たちがよく知っているような日本の世界的大企業などは、複数のカテゴリーで競合他社とマーケット・シェアを争っており、これらの会社は変化する世の中に対応して、自分たちも変化することで生き残ってきているのです。企業の平均寿命が30年といわれる中で、このように長期間生き残り続ける会社は、消費者や市場構造をよく理解しているからなんですね。逆に言えば、これらを理解できていない企業は、潰れてしまっているということでもあります。
このカテゴリーやブランドも、ブランド間の関係も、すべて消費者のプレファレンスによって支配されているんですね。あなたが競合他社と奪い合っているのは、消費者の購入意思決定の争いを行っています。
そして、その購入意思決定は、そのカテゴリーにおける消費者プレファレンスによって決まっています。
つまり、あながた奪い合っているのは消費者プレファレンスなんです!
ですから、あなたやあなたの会社は消費者のプレファレンスを上げることに経営資源を集中すべきなんです。
つまり、消費者視点で会社を前進させる必要があるってことです。
それはなぜか?
それは消費者プレファレンスことが市場構造の本質だからです。そして、市場構造を徹底的に正しく理解すれば、消費者視点で会社を前進させることの重要性や、プレファレンスを上げることの大切さが分かるはずです。
なかには、プレファレンスなんか伸ばさなくても、商品購入回数とかを増やせればビジネスはうまくいくよという方もいらっしゃるのですが、実は、その購入回数もプレファレンスで決まってくる要素なんですね。
プレファレンスを上げることはシェアを上げることと同じようなもので、シェアが上がれば当然売上も伸びますし、それ以上に、会社のパフォーマンスも向上させることができます。
それはどうしてでしょうか?
プレファレンスが上がれば、利益率や配荷率、認知率など、多くの経営効率が相乗効果的に向上していき、成功が成功を呼ぶ「勝者のサイクル」を起こすことができるからです。
だからこそ、あなたやあなたの会社は消費者視点を最も重視して、プレファレンスの向上に努めなければならないんです。そして、そのためには、しっかりと市場構造を理解する必要があります。
少し長くなってしまいましたが、めちゃくちゃ重要なことなのでぜひ何度も読み返してくださいね。難しく感じるところもあるかもしれませんが、そんな時は、ただ読むだけではなく、あなたのビジネスではどういうことが当てはまるか?といったように、具体的に考えてもらえると理解も深まると思います。 そして、もし、あなたの会社でこれらのことを考えていきたいけど何から手を付ければいいかわからない・・・そんな時は、私たちにお気軽にご相談くださいね(笑)。