勝てる戦を探す!~ビジネスを伸ばすための戦略の焦点はたった3つ~
前回お話しした市場構造にはコントロールできるものと、コントロールできないものがあるといいましたよね。水は高いところから低いところへ流れるのが自然です。それを逆に低いところから高いところに流せますか?それは不可能とはいえませんが、膨大なエネルギーが必要になってきます。
したがって、あなたがそのエネルギーに見合うだけの経営資源を持っていなければ、水を逆に流そうとするその戦略は、戦う前から負けが決定しているものなんです。そういった戦略を、あなたは絶対選んではいけません
戦略が失敗するときっていうのは、知らず知らずのうちに自分たちでコントロールできないことに多くの経営資源を投入してしまっているパターンが大半なんです。
逆に言えば、市場の中でコントロールできる、コントロールすべきものこそが「勝てる戦」「勝てる場所」なんですが、これは別に複雑ではないし、難しいことでもないんです。なぜなら、あなたやあなたの会社が市場競争の中でコントロールできること、コントロールすべきことというのは、限られたものだからです。
前回の記事でお話ししましたが、ビジネスの売上というのは、自社ブランドに対する消費者のプレファレンスによって、最大限の潜在力(ポテンシャル)が決まってきます。。
そして、その最大限のポテンシャルが、「認知」と「配荷」によって制限され、実際のビジネスでの結果が決まります。
??意味が分からない…
そう感じられた方はも大丈夫です。次の説明でイメージできると思います。
プレファレンスというのは好意度でしたよね。ですから、あなたの会社に対するプレファレンスが上がれば、あなたの会社のポテンシャルは上がり、ビジネスは成長します。消費者のプレファレンスが市場構造の本質ですから、消費者が相対的にあなたの会社をより好むようになれば、ポテンシャルが向上するのは当たり前ですよね。
また、プレファレンスが一定であったとしても、そのプレファレンスのポテンシャルを制限している認知率や配荷率を上げることでビジネスを成長させることはできます。
例えば、スポーツビジネス市場であなたの会社の認知率と配荷率が40%ずつであれば、プレファレンスによって決定されたあなたの会社のMAXのポテンシャル100%が、16%にまで制限されることになります(Max1.0×認知0.4×配荷0.4=0.16)。つまり、100個売れるポテンシャルがあるのに、認知率と配荷率が低いせいで16個しか売れなくなるということです。この40%しかない認知率と配荷率のどちらかだけでも倍の80%まで上げることができれば、32個まで売れるようになります。
以上を加味して考えれば、売上を伸ばしていくために必要なものは、、「自社ブランドのプレファレンスを高める」、「認知を高める」、「配荷を高める」、この3つだけってことです。
では、ビジネスを伸ばすため、「勝てる戦」にするために、あなたがコントロールすべきことっていうのは何なのか?つまりあなたが取るべき「戦略」=「経営資源の配分先」というのは何なのかというと、結局、上記してきた「プレファレンス(好意度)の向上」「アウェアネス(認知)を制する」「ディストリビューション(配荷)を制する」の3つです。これら3つのことは、コントロールできることであり、勝つためにコントロールすべきことです。
そして、これらの3つを制することで、「勝つ戦」を作り上げることができます。
つまり、あなたが戦略を立てる上で意識すべき点も最初からこの3点のしかないということです。最初からこの3点に絞れば、確率の高い戦略にたどり着きます。
認知の部分でもっと伸び代はないかな?
配荷の部分でもっと伸び代はないかな?
プレファレンスを変化させる方法はないかな?
この3点に焦点を合わせて考えればいいだけなんですね。至って、シンプルです。
あなたが取られている戦略はどうですか?
川の流れを逆流するような、エネルギーを無駄に浪費するような戦略、負け戦が決定しているような戦略はとっていませんか?
川の流れに逆らうのはしんどいということは誰でも認識していることなのに、ことビジネスでは、多くの会社が自ら進んで流れに逆らう活動をしています。
もしかするとあなたも、今まではそうだったかもしれませんが、今日から見直してみて下さい。
市場でコントロールできないものにいくらあらがっても、経営資源を無駄に浪費するだけですので。
努力しても結果が出ないというのは、進む方向が間違っているんだと思います。
負け戦決定の中で努力し続けることほど、つらいことはないですから・・・。あなたは部下にそのような思いをさせないようにしましょうね。
では、今回はここまでにしておきましょう。
次回は、今回でてきた「認知」「配荷」について、スポーツビジネスでは具体的にどういったことになるのか?ということを具体例を交えながら説明していきたいと思います。