戦略はゴールから考えよう!~逆算で考えれば、どんな高い壁でも「登る手段」を考えて登ることができる~

以前、こちらこちらの記事で、戦略の重要性について書かせてもらいました。
今日は、再度戦略の重要性について、お話しさせて頂くのと同時に、戦略を考える際に用いる逆算思考があれば、どんな高い壁でも登れる理由をお伝えしたいと思います。

以前の戦略についての記事の中で何度かお伝えしていますが、戦略とは「叶えたい目的」があるから必要とされるものです。もし、叶えたい目的がないなら、戦略は必要ありません。

逆に言えば、戦略を考える、作る際に、絶対に必要なものは「目的」です。
会社や部門のリーダーにとっては、その目的達成こそが最も重要なミッションです。
簡単に言うなら、「結局、何したいの?」という感じです。
会社や部門としての意志がなければ、目的は生まれることもないし、そうなれば、当然戦略の出番なんてものも絶対ありません。

では、達成したい目的があるときに、次に行うべきことは、その目的が達成できているときの状況を出来るだけリアルに、数字などを使い徹底的に考え抜くことです。これも簡単に言うなら、目的の達成状況を具体化することです。そして、これは、できるだけ数字に当てはめて考えるのがいいです(あなたの目的ですから、つい感情的な部分(達成感や達成後のあなたやあなたの会社のこと)を考えてしまうこともあると思うのですが、それではありません)。目的の達成時には、あなたのビジネスはどうなっているべきなのか?といった視点から、それらを具体的な数値として可視化しましょう!そうすれば、目的達成のために必要な条件が見えてきます。

それができれば、あとはその条件を達成するために、現状とのギャップを認識し、その差をいかに埋めていくか?
そのために戦略を考えていくんですね。

だから、私は目的を具体化するところから始める必要があると考えています。
将棋やチェスも、王手やチェックメイトの盤面が頭の中に見えて、そこから逆算して1手1手を組み立てたりしますし、迷路もスタートからじゃなくてゴールから考えた方が早く攻略できたりしますよね。
スタート地点や手前から先のことを発想しても無駄が手が多くなってしまいますよね。だから、戦略は必ず達成した目的や目的達成の条件などを明確にしてから逆算して組んでいくんです。そうしなければ、無駄な手を使いまくることになり、時間や労力を消耗し、最悪の場合、ゴールにたどり着けないという恐れも大きいんですね。

目的設定後の流れは色々とあると思いますが、私は、目的を設定した後は、目的達成時と現状のギャップを数字に表し、そこを徹底的に考え抜きます。この目的数値に到達するために、「自分たちを選んでくれる人の人数を増やす (間口)」ことと「選んでくれた人の選択回数を増やす (奥行き)」、この目的数値を明確にしていきます。そして、これらを獲得するために、消費者ターゲットは誰(どの層)を狙うのが正しいのか、必要なプレファレンス(ブランドに対する好意度)の増加を実現するための要素は何と何が必要とされ、それらは、どういった値になっていなくてはならないのか、ということを考えます。

例えば、3年以内に100万人の集客を達成したいという目的を掲げたスモールプロスポーツクラブがあった場合、100万人のスポーツクラブになるために、集客に必要とされるブランド脳良さはどのくらいかな?カギになってくるブランド・エクイティーは何で、認知率はどれくらいなっておく必要があるのか?100万人の内訳((初めて)スタジアムに来てくれる人数とリピーターの人数)は?年齢は?性別は?エリアは?通常チケットと年間チケットの割合は?値段は?集客増に向けたイベントはどんなものをどのくらいの頻度で行うべきなのかな?その時には、今の組織にどのような人材を補強していかないといけないのかな?などなど…

目的達成のための必要条件に具体的数値に落とし込んで、達成のためのシナリオを作っていく感じです。
そうすることで、ボンヤリとした想像の産物でしかなかった目的が、様々な必要条件を組み合わせることで明確化され、戦略へと変貌していくんです。

このように戦略というのは、到達したいと思っている高い「目的」に着くために地道に組み上げていく階段やハシゴのようなものです。きっちりと目的に向けてハシゴをつくれば到着できるんです。

目的がかなり高いところに設定されている場合、おそらく多くの人は(もしかしたらあなたも)目指すこと自体を諦めてしまうことが多いと思います。もしくは、そもそも最初から目的として意識できない…こっちの方が多いかもしれませんね。では、このような考え方の結果、何が起こると思いますか?それは、あなたが見えるものだけ、届きそうなものだけを目的として追いかけるようになります。わざわざハシゴを組まなくてもちょっと頑張れば届きそうなものしか、あなたもあなたの会社も追いかけなくなってしまうんですね…。これでは、大きな成長は望めません。

まあ、逆の場合もあります。めちゃくちゃ高すぎる目的だけが掲げられており、そこにたどり着くまでのシナリオや道筋が全く示されていない場合のことです。よくある会社の「スローガン」的なものです。ただの妄想みたいな目的だけが立てられていて、実際の企業活動がどのようにどこへ繋がっていくのかが全く分からないし見えない。あなたを始めとする組織を構成する人たちが、その目的への到達が「絶対無理だろ」と思っているなら、その目的は無意味です。その目的は、もはやただの飾りといえると思います。

超えたい壁があるんだったら、まずは階段やハシゴを作る技術が必要ということです。

だから高い壁が出てきたときに一足で飛び越えようとすることしか考えられない人は、この目的を達成するのは無理だと思い諦めます。こういった人は、ハシゴ(=戦略)をつくる方法を知らないだけなんですね。

目的が高いところにあっても、目的から現状を逆算して、しっかりとしたハシゴを組んでいく技術があればたどり着けます。
どれだけ高い目的でも、ハシゴさえ作れば必ず登れるんだ!ということ。それを信じて下さい。

そして、最も重要なのはあなたの視点を登りたい壁(目的)の上に持ってこれるかどうか?ということです。
なぜこれが重要か分かりますか?
壁の上から下を見れば、ここまで登ってくるために、どこにハシゴや階段を組むことがいいのかが、よく見えるからです。 ゴールを具体的にイメージできて、そこへ到達できる実現性のあるシナリオを描くことができる人というのが「戦略を作れる人」だと思います。
あなたも、これらを意識して「戦略を作れる人」になってください!成果が抜群に変わってきますから!

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