お客さんには商品ではなくベネフィットを売る!
先日、子供の中学校入学に合わせて自転車の購入が必要になり、久しぶりにサイクルショップに出かけました。サイクルショップには、めったに行くことがないので私自身も子供と同様、楽しみに出かけました。
久しぶりのサイクルショップは、思った通り楽しくて、最近の自転車はデザインも素敵で色々な機能もあり「スゴイな~」と感心しながら、飽きることなく自転車を見て回っていました。すると、1人の営業マンの方が私たちに近づいてきて、私たちに熱心に各自転車の特徴などを説明し「自転車」を販売しようとしてきました。
もしかすると、あなたは、「えっ?サイクルショップのセールスマンが自転車を販売しようとするのは普通だよ!」と思われたかもしれませんね。
確かに、サイクルショップでは「自転車」を売っています。しかし、サイクルショップの営業マンは「自転車」を売ろうとしていては、なかなか売れないんですね。
「ちょっと何言ってるかわかりません」と思ったあなたは、これから話すことを聞いてもらえれば、今までのあなたの商品やサービスの売り方がよくなかったことに気づくと思います。そして、今から話す内容をあなたのスポーツビジネスに取り入れてもらえれば、今までよりも高い成約率をたたき出すことが出来るようになると思いますので、ぜひあなたのスポーツビジネスに役立てて頂きたいです。
先程のセールスマンの話に戻りますが、その人は私と子供に対して、熱心に電動付き自転車の購入を進めてきましたが、その際に、「こちらは頑丈なフレームでできており、錆に強い各パーツ、パンクに強いタイヤという定評がある国内メーカーの自転車であり…」といった感じのことばかり話をされました。
「頑丈なフレーム」「錆に強い各パーツ」「パンクに強い」…など、この自転車の特徴をずっと話されたんですね。実は、ここにセールスにおける落とし穴が待っているんですね。
どんな落とし穴か、あなたは分かりますか??
これは、あなたが行っているスポーツビジネスでもあてはまります。
私はサッカーをやってきており、子供はバスケットボールをしているので、例えばですが、「サッカー教室」や「バスケット教室」で考えてみましょうか。
この「サッカー教室」や「バスケット教室」っていうのは、ただの商品名ですよね。それにも関わらず、営業担当者は「サッカー教室を新しく開きました!めきめき上達できます!」とか、「バスケット教室開講!コーチは、なんと元Bリーグの〇〇さん!」といった感じで、これらの商品の特徴を必死になってアピール、売り込みしてるんですね。
よく考えてみて下さい。お客さんは、ほとんど商品名(サッカー教室やバスケ教室)や特徴(入部すれば上達する)なんてことは知っているんですね。それなのに、知っていることをやたらと言われたって、人は欲しいとは思わないんですね。
だから、あなたは大前提として、ほとんどのお客さんがあなたの商品やサービスに興味をもっていない、もしくは、興味があったとしても、その他大勢の教室と何が違うのかわからない状態だと思っていてください。そんな中で、なぜ、お客さんはあなたから商品やサービスを購入してくれているんでしょうか?それは、商品を購入することで手に入る未来の成果に期待して、購入してくれているんですね。こういったことを「ベネフィット」といいます。
商品やサービスを案内する際に、このベネフィットを欠いているようでは、あなたのターゲットに響かない商品案内になってしまいます。
先日の私のサイクルショップでの話に置き換えるなら、私や私の息子が欲しいと思っているのは「自転車」ではなく、「自転車を購入することで得られる成果やメリット」が欲しいんですね。
例えば、「電動自転車は楽に通学が出来ます。」「頑丈なので、中学三年間安心して乗れます」、こういったことは、特徴止まりですね。
ベネフィットになれば、「坂道や長距離移動も楽なので、移動も楽しく遠くまで出かけることもでき、お子さんに貴重な体験をしてもらえます。」「自転車で楽しい思い出が一杯作れます」
これがベネフィットであり、私たちのような見込み客の「欲しい未来」を連想させることにつながり、購入しようという感情にさせるんですね。
少し考えてみて下さい。例えば、高級ホテルは「泊まる」ことを売りにしていますか?何を強く紹介していますか?一度ホテルの案内ページなどを見て下さい。ベネフィットが分かりやすく案内されているはずです。
ベネフィットを考えるためには、ターゲットを明確にすればするほど、よりお客さんに響くメッセージを作りやすくなります。あとは、そのターゲットが喜ぶ未来や成果はどういったことなのか?ということを考えればいいのです。
特徴なんてものは、みんな分かっているんです。ネットで調べれば大体のことはわかるので。それなのに、特徴ばかり説明したところで、お客さんには響かないんです。まして、購入なんてしません。
だから、感情(=欲しい!という想い)が動かなければ購入しません。そして、感情を動かすには、相手が欲している未来を想像させなければなりません。それができれば、あなたのサービスや商品が、お客さんにとって非常に価値のあるものに変わり、お客さんはあなたの商品が欲しくなり、購入してくれるようになるでしょう! 商品案内を「ベネフィット」を意識して行ってみる。是非、実践してみて下さい